はかりは精密機器です。
移動やよごれが影響し、誤差がでることがあります。
正しく計量できているか、日常的に点検する必要があります。
特にモノづくりの現場におけるISOなどの品質マネジメントシステムや
医薬品、食品などの業界におけるGLP、GMPなどの安全性の品質保証基準など
求められる品質基準はますます多様化し、高度なものになっています。
ここでは、お客様(はかりの使用担当者)が行う日常点検・定期点検について説明します。
ISO関連やGLP/GMPなどの体制づくりには、点検・校正については、外部機関への依頼が必要な項目があります。
当社では以下の校正サービスを承っております。必要な際はぜひご相談ください!
①JCSS校正証明書 ②校正結果 ③はかり校正データシート
①製品検査所 ②トレーサビリティ体系図 ③校正証明書
①JCSS校正証明書
①校正証明書 ②校正結果 ③トレーサビリティ体系図
特定計量器は外部での定期検査を受けなければなりません。
→ 計量法について
担当者が行うことが可能な日常点検・定期点検は以下になります。各項目の確認をおこないます。
1 | 水平を確認し、計量皿に汚れがないか |
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2 | 電源をいれ、計量物をのせ、おろした後にゼロに戻るか(数回繰り返す) |
3 | 普段計測している重量の分銅をのせたとき、重量表示が正しいか |
4 | はかりのひょう量の分銅をのせたとき、重量表示が正しいか |
5 | はかりのひょう量の1/2の分銅をのせたとき、重量表示が正しいか |
6 | はかりのひょう量の分銅をのせたとき、重量表示が正しいか(3回以上繰り返す) |
7 | はかりのひょう量の1/2の分銅をのせたとき、重量表示が正しいか(3回以上繰り返す) |
8 | ひょう量の1/3の分銅を計量皿の中央・端など、予め決まった場所にのせ、重量表示が正しいか |
9 | ひょう量の4等分から6等分した重量の分銅をそれぞれ計量皿の中央にのせ、重量表示が正しいか |
あくまで目安としてですが、毎日使用するはかりの場合
・①〜③は使用のたびに行う(日常点検)
・①〜⑤は週に1度程度行う(定期点検)
・①〜⑨は3ヵ月〜半年に一度程度行う(定期点検)
など、期間を決めておくと良いでしょう。
また、ISO関連やGLP/GMPの体制づくりをされるお客様は、各項目の点検手順や点検期間を決定する必要があります。
はかりの銘板や取扱説明書で確認しましょう。点検基準が決まります。
また、点検するはかりで普段計量している重さも確認しておきます。
水平器を確認し、中心からずれている場合は、アジャスターで傾きを調整してください。
また、汚れや異物が付着しているときは、はかりの内部に入らないように注意して取り除きます。
はかりのゼロボタンなどを押した後、分銅をのせおろしをおこない、0g表示に戻っているかを確認します。
この作業は数回おこなってください。
普段測定している重量が100gであれば100gの分銅を、1kgであれば1kgの分銅を用意します。計量皿に分銅をのせる前に、重量表示が0であることを確認しましょう。
分銅をのせます。
(例)重量が100gのとき、目量が0.01gであれば99.98g〜100.02g以内が正常です。
(例)重量が5kgのとき、目量が0.1gであれば4999.8g〜5000.2g以内が正常です。
分銅をおろし、重量表示が0であることを再び確認します。
※点検基準以内でない場合は、こちらのフォームよりお問い合わせください。
→はかりの修理・点検・校正お問い合わせフォーム
はかりのひょう量を確認し、ひょう量の分の重さの分銅を用意します。
計量皿に分銅をのせる前に、重量表示が0であることを確認しましょう。
(例)ひょう量が6kgのとき、
目量が0.01gであれば5999.98g〜6000.02g以内が正常です。
(例)ひょう量が150kgのとき、
目量が1gであれば14998g〜15002g以内が正常です。
分銅をおろし、重量表示が0であることを再び確認します。
※分銅は一般的に1kg、2kg、5kgなど1、2、5の単位で売られています。
すでにセット販売の商品もございます。
はかりのひょう量を確認し、ひょう量の1/2の重さの分銅を用意します。
(例)ひょう量が6kgの場合、3000g分の分銅を用意しましょう。
(例)ひょう量が150kgの場合、75kg分の分銅を用意しましょう。
計量皿に分銅をのせる前に、重量表示が0であることを確認しましょう。
(例)ひょう量が6kgのとき、
目量が0.01gであれば2999.98g〜3000.02g以内が正常です。
(例)ひょう量が150kgのとき、
目量が1gであれば74998g〜75002g以内が正常です。
分銅をおろし、重量表示が0であることを再び確認します。
④の検査を3回以上繰り返し、重量表示を確認します。
⑤の検査を3回以上繰り返し、重量表示を確認します。
計量皿に分銅をのせる前に、重量表示が0であることを確認しましょう。
(例)ひょう量が6kgの場合、2000g分の分銅を用意しましょう。
(例)ひょう量が150kgの場合、50kg分の分銅を用意しましょう。
分銅を①の位置にのせます。重量表示を確認しましょう。
(例)ひょう量が6kgのとき、
目量が0.01gであれば1999.98g〜2000.02g以内が正常です。
(例)ひょう量が150kgのとき、
目量が0.1gであれば49998g〜50002g以内が正常です。
分銅をおろし、重量表示が0であることを確認します。
次に分銅を②の位置にのせます。重量表示を確認しましょう。
(例)ひょう量が6kgのとき、
目量が0.01gであれば1999.97g〜2000.03g以内が正常です。
(例)ひょう量が150kgのとき、
目量が0.1gであれば49997g〜50003g以内が正常です。
分銅をおろし、重量表示が0であることを確認します。
同様の検査を③〜⑤までおこないます。
例)ひょう量が6kgのとき、1kg・2kg・3kg・4kg・5kg・6kgのポイントではかります。※ひょう量によっては端数がでますが、切り捨ててかまいません。
この場合は、1kgの分銅を6個用意します。
(例)ひょう量が150kgのとき、50kg・100kg・150kgのポイントではかります。
分銅の組み合わせはいくつか考えられますが、5kgと20kg、50kgの分銅を用意します。
計量皿に分銅をのせる前に、重量表示が0であることを確認しましょう。
いちばん数字の小さい分銅から順に載せていきます。
(例)ひょう量が6kgのはかりに1kg分銅をのせます。
※重量表示が999.98g〜1000.02g以内であることを確認します。
(例)ひょう量が150kgのはかりに、25kg分の分銅をのせます。
※重量表示が24998g〜25002g以内であることを確認します。
次のポイントをはかります。
(例)すでに1kgの分銅がのっている、ひょう量が6kgのはかりに更に1kg分銅をのせます。※重量表示が1999.98g〜2000.02g以内であることを確認します。
(例)すでに25kgの分銅がのっている、ひょう量が150kgのはかりに更に25kg分の分銅をのせます。※重量表示が49998g〜50002g以内であることを確認します。
このようにして、ポイントごとに正常な範囲の数値であることを確認していきます。
ひょう量まで分銅をのせ、数値の確認を終えたら、次は順に分銅をおろしていきます。
ポイントごとに正常な数値であることを確認します。
最後に全ての分銅をおろし、重量表示が0であることを確認します。
※点検基準以内でない場合は、こちらのフォームよりお問い合わせください。