温度センサの種類とその特長【初級編】

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温度センサの種類とその特長【初級編】

2020年の4月で入社2年目に突入しました、はかり商店 店員4号です。

このコラムでは、温度計のセンサについてまとめてみました。まだまだ浅い知識ではございますが、私のように温度計センサって難しい!なにそれ!と思っている方にも読んでいただけるよう【初級編】として書いております。随時改善・改良していきますので、ぜひご覧ください。

 

記録に残っている最も古い温度計は、1592年にガリレオ・ガリレイによって発明されました。ガラス球を使用した、目盛りのない簡単な空気温度計で、温度変化の有無のみを測定する温度計だったそうです。

その後様々な発明を経て、現在は温度センサを使用したデジタル温度計が数多く生み出されています。物体の温度や気温・湿度を測ったりするだけでなく、家電が稼働するうえでも温度の測定は欠かせないと考えると、温度センサがいかに身近で重要なのかが分かりますね。

そして温度センサにはいくつか種類があり、それにより特性・適した用途が異なります。次の段落で、代表的な温度センサを1つ1つ見ていきましょう。

【熱電対】

熱電対=ねつでんつい』と読みます。

とても簡単にですが、仕組みを図で描いてみました。異なる2種類の金属線AとBを接続して1つの回路(熱電対)を作り、この2つの接点1と2に温度の差が生じると、回路に電圧が発生し、電流が流れます。2つの接点の温度に差がなく等しい場合は、電流は流れません。

この現象を発見したのが、ドイツ人科学者のゼーベックで、その名前からとって「ゼーベック効果」と呼ばれています。この温度差による電流を起こす電力を「熱起電力」(ねつきでんりょく)といいます。

熱電対を温度センサとして利用し温度を測る場合は、この接点の片方を計測器に接続します。そして、2種類の金属線の接点と、計測器側の接点の温度差によって生じる電圧を測定することで、温度計測に利用されています。

この熱電対、産業界で最も多く使われている温度センサだそうです。2種類の金属の構成材料によって8タイプに分けられており、種類によって特徴・メリット/デメリットが異なるため、測定範囲や測定対象に合わせて選択することになります。

K熱電対は、工業用として最も普及しており、比較的安価かつ耐熱・耐食性に優れているのが特長。

特に高精度で測定したい場合はE熱電対、高温域で精度よく測定するならR/S熱電対、というように使われています。

熱電対の寿命は、B、R、S(貴金属熱電対)は約2000時間。N、K、E、J、T(卑金属熱電対)は約1万時間程度が目安とされています。寿命が近くなってくると、正しく温度を示さなくなったり、断線したりするので、使用する際は注意が必要です。

【サーミスタ】

 サーミスタ(Thermistor):Thermally sensitive Resistor(熱に敏感な抵抗体)

サーミスタは、温度の変化によって電気の流れにくさ=抵抗値が大きく変化する電子部品のことです。温度が高くなると電気が流れやすくなり(抵抗値が下がる)、温度が低くなると電気が流れにくくなる(抵抗値が上がる)という特性から、サーミスタの電気の流れを見ることで温度を知ることができるという仕組みです。

サーミスタは、小形かつ感度がとてもよいため、私達の身の回りの家電や精密機器などによく使用されています。写真のような温度測定器はもちろん、エアコンの室内外の温度を測り温度コントロールをするのにも、スマホなどの精密機器の内部温度を測定するのにも使われており、私達の生活を見えないところで支えてくれているセンサなんですね。

そして、サーミスタは温度特性によって3つに分けることができます。

  • ◇NTCサーミスタ…Negative Temperature Coefficient=温度が高くなると抵抗値が下がる
  • ◇PTCサーミスタ…Positive Temperature Coefficient=温度が高くなると抵抗値が上がる
  • ◇CTRサーミスタ…Critical Temperature Resistor

このうち、温度測定によく使用されるサーミスタは「NTCサーミスタ」で、一般的にはこの「NTCサーミスタ」がサーミスタと呼ばれています。サーミスタといえばこれ!という感じでしょうか。使用温度範囲は-50℃~400℃ほど。材料はマンガン (Mn) 、ニッケル (Ni) 、コバルト (Co) などの金属酸化物を成分としています。

【白金測温抵抗体】

サーミスタと同じように、金属が温度変化によって電気の流れにくさ=抵抗値が変化するという特性を利用しています。この抵抗値を測定することで、温度を知ることができます。

中学校で習ったオームの法則E=IRを覚えていますか?(E:電圧、I:電流の強さ、R:抵抗)このオームの法則から抵抗値を算出し、温度を出します。中学の勉強がこんなところにも生きているんですね。

そしてこの測温抵抗体には4種類あり、①白金 ②銅 ③ニッケル ④白金/コバルトに分けられます。

なかでもよく使われているのが①白金か材料となる「白金測温抵抗体(Pt100)」です。

Pt100とは、0℃で100Ωの抵抗値を持つことに由来しています。Pt100は優れた線形性を持っているため、正確な温度測定が必要とされる場で使われています。(※Ωは電気の流れにくさを表す単位です。)

測定範囲は-200~600℃を測定することができ、温度による抵抗値の変化が大きいこと・安定性と高い精度を持ち合わせていることから、熱電対とともに工業用温度測定の主要センサとして広く使用されています。

サーミスタと測定原理は似ていますが、白金抵抗体の方が測定範囲が広いです。一方、サーミスタの方が応答性が良く安価だという特長もあります。白金抵抗体Pt100は白金を素材としているため、高価になってしまうのです。

熱電対・サーミスタ・白金測温抵抗体の特長まとめ

では最後に、熱電対・サーミスタ・白金測温抵抗体の特長をまとめて見てみましょう。

【熱電対の特長】

  1. ・応答が早い
  2. ・-200°C~+1700°Cと広い温度範囲の測定が可能
  3. ・比較的安価なため、入手しやすい
  4. ・精度が高い

➡熱電対センサの一覧はこちら

【サーミスタの特長】

  • ・小形で耐衝撃性・耐振動性がある
  • ・大きく抵抗値が変化するため、温度変化を捉えやすい
  • ・白金測温抵抗体よりも安価

➡サーミスタセンサの一覧はこちら

【白金測温抵抗体の特長】

  • ・高精度な温度測定が可能
  • ・極低温域を測定するのに適している

白金抵抗体センサはこちら

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いかがでしたか?温度センサといっても、やはり種類によって特長・適した測定範囲など様々なんですね。なかなか奥が深そうです。もっと詳しく知りたい方は、ぜひはかり商店までお気軽にお問い合わせ下さい。

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