【はかり商店】計量器の定期検査について

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検査について

ここでは「検定付きはかり(特定計量器)」にはつきものの

「定期検査」について説明いたします

※計量器の「校正」に関してはこちらで説明しております

※計量器の日常的な「点検」についてはこちらで説明しております

※はかり商店では計量器の「検査」についてのお問い合わせも承っております。
下記リンクからお問い合わせをお願いいたします。

そもそも計量器の「検査」とはどのようなものなのでしょうか。

1)特定計量器における「検定」と「検査」

まず、特定計量器(検定付きはかり)における「検定」と「検査」の位置づけ及びその内容について説明します

下記に図にまとめましたので参照ください

・検定に有効期限の定めがある場合には、その期限を超えたら取引・証明には使用できません。(取引・証明以外の用途に使用することはできます)

・有効期限を超えても再び検定を受けることは可能です。

・分銅、おもりについても「検定付き」のものは定期検査を受けなくてはなりません。

・また検定有効期間内でも、器差(計量器の誤差)に影響のある修理を行った場合には、

その修理後に検定を受け、これに合格しなければ取引・証明に使用することはできません

 

(1)「検定」の内容

届出製造業者や輸入業者が取引・証明用途に計量器を製造・販売する場合、

国、あるいは都道府県、その他指定検査機関などの公的機関による検査を受けます

・構造基準に関する検査

表記事項(製造年、製造事業者名、精度等級、目量、ひょう量など)、材質、性能(耐久性、耐環境、電磁環境など)が計量法の定める基準を満たしているかどうか

・器差基準に関する検査

計量結果が検定公差(法定許容誤差)以内であるかどうか

上記の検査に合格した計量器は「検定証印」が付されます

①「型式承認」(計量法76条)

届出製造事業者は、製造する特定計量器について「型式」の承認を受けることができます。

この「型式承認」を受けた特定計量器は、検定に際して「構造」の検査を省略する(一部例外あり)ことができます。

すべての「型式承認」の有効期間は10年です

※「型式承認」を受けない場合、製造されるすべての計量器に対して構造検査を受けなくてはなりません

②「基準適合証印」(計量法91,95,96条)

届出製造事業者は、型式の承認を受けた上で、その型式に関する工場又は 事業場における品質管理の方法について都道府県等の行う検査を受け、これに基づいて大臣から指定を受けることで、省令の基準等に基づく自主検査を行った特定計量器に基準適合証印を付すことができます。この基準適合証印は「検定証印」と同等の効力を持ちます

③「家庭用特定計量器」(計量法53~56条)

「家庭用特定計量器」は検定及び検査は義務付けられていません
但し、輸入・製造・販売する事業者に対して、技術基準(JIS B7613:2015)に適合させる義務があります
該当事業者は販売するまでに「家庭用特定計量器技術基準適合マーク」(通称丸正マーク)を表示させなくてはなりません

家庭用特定計量器技術基準適合マーク

 

・家庭用特定計量器とは

主として一般消費者の生活の用に供され、
目量が10mg以上かつ目量の数が100以上の非自動はかりで
下記の条件を満たすものです

・一般用体重計
ひょう量20kgを超え、200kg以下の非自動はかりであって、専ら体重の計量に使用するもの

・乳幼児用体重計
ひょう量が20kg以下の非自動はかりであって、専ら乳幼児の体重を計量するもの

・ 調理用はかり
ひょう量が3kg以下の非自動はかりであって、専ら調理に際して食品の質量を計量するもの

★用語解説★

・非自動はかり:必ず静止状態で計量し、「操作者」が計量値を読み取るはかり

(自動はかり:ベルトコンベアなどに載せて動いたままで【「操作者」がいない状態で】計量を行うはかり)
・目量:そのはかりの最小目盛りの量
・ひょう量:最大計測量

・最小測定量:計量法上、取引・証明に使用可能な最小測定量。計量器の精度等級と目量及び目量の数によって決定する

・目量の数:ひょう量÷目量
(例)ひょう量60kg=60000g 目量100g 目量の数=60000/100=600

(2)「検査」の内容

検査の合格条件

・ 検定証印又は基準適合証印が付されていること。
・ 性能が技術上の基準に適合すること。
・ 器差が使用公差を超えないこと。

検査に不合格になった場合

・ 該当する計量器は「取引・証明」用途には使用できません(取引・証明用途以外では使用できます)
・ 修理事業者による修理の後「再検査」となる場合がありますが、修理した箇所が器差に関わる場所であった場合には「再検定」となる場合もあります。

★用語解説★

器差:実際の計量値から基準器(分銅など)が示す値を引いた値又は割合、すなわち誤差のことです。

使用公差:使用されている特定計量器ごとに定められた器差(誤差)の許容範囲のことです

 

2)「定期検査」の目的

Q. なぜ、「定期検査」が法定されているのでしょう

A. 取引・証明の信頼性の確保のため

「取引や証明」で使われている様々な種類のはかりは、常に正確でなければなりません。

はかりは原則として製造又は修理後に公的機関の「検定」等を受けることが

計量法において義務づけられており、これに合格した正確なはかりが社会に流通するようになっています。

しかし、どんなに正確なはかりであっても経年により、あるいは使用していなくても誤差が生じることがあります

そこで、計量法(19条)では、取引や証明に使われているはかりについては、

その使用者は、2年に1回、公的機関(都道府県あるいは特定市及び指定検査機関等)の検査

または計量士による代検査を受けることを義務づけ、

はかりがいつも正確であるようにしています。

・みなさんが安心・信頼して物の売買や証明を信頼することができるようにするために、

検定・検査によってはかりが正確であることを保証するための仕組みです

・言い方を変えますと、「取引・証明」用途に使用できるはかりとは

「検定」に合格し、検定証印や基準適合証印が付され、

かつ法定された「定期検査」に合格し定期検査済証印があるはかりのことです

・この定期検査を怠ると、罰則規定(50万円以下の罰金)が科されます。(173条)

3)「定期検査」の範囲

Q. 検査を受けなくてはならないのはどのようなはかりでしょうか

A. 「取引・証明」に使用される「検定付きはかり」です

(1)「取引・証明」とは

・取引とは、商売などで使用することです。

有償無償を問わず物品または薬の給付などを目的とする業務上の行為です(計量法第2条第2項)

取引における計量とは「契約の両当事者が、その面前で、ある計量器を用いて一定の物象の状態の量の計量を行い、その計量の結果が契約の要件となる計量」をいいます。
内部的な行為にとどまり、計量の結果が外部に表明されない計量や契約の要件にならない計量は含まれません

 

・証明とは、計量した値を証明することです。

公にまたは業務上に他人に一定の事実真実である旨を表明する行為です(計量法第2条第2項)

「公に」:公の機関が、又は公の機関に対して、であること

「業務上」:継続的、反復的であること

「一定の事実」:一定のものが一定の物象の状態の量を有すること。
特定の数値で表されるのが一般的ですが、ある一定の水準に達したか、達していないかという事実も含まれます。

「真実である旨を表明する」:真実であることについて一定の法的責任等を伴って表明することです。参考値を示すなど、単なる事実の表明は該当しません。

【取引・証明の例】

1.商品の重さを明示する
2.原材料の購入・製品の販売出荷
3.食材などの購入
4.貨物・荷物の運賃算出等
5.薬の調剤
6.廃棄物処理業者などが、処理費用の算定をする
7.自動詰込機(自動はかり)により詰め込んだ商品の重さを最終確認する
8.観光農園や農産物直売所において料金算定や量目表記をする
9.保健所(保健センター)、病院、学校、幼稚園、保育所、産婦人科医院等で法に定められた健康診断(体重測定)をする

 

【取引・証明ではない例】

1.原材料の配合等
2.公民館、公衆浴場等に設置された体重計
3.郵便物の料金の目安
4.試しはかりとして使用(最終的な計量は別のはかりで行う)
5.動物病院で治療のために使用
6.商品を小分けにするためのもので、重さの明示に使用しない

※「取引・証明」に使用されない計量器は検査を受ける必要はありませんし
次項で説明する「検定付きはかり」も使用する必要はありません

(2)「検定付きはかり」とは

取引・証明用のはかりには、法定された「検定」に合格した証として検定証印あるいは基準適合証印が付されており、この証印が付いているはかりは、特定計量器(検定付きはかり)と見なされます。

※上記2つの効力は同じです。マークの下に和暦の年月が付いています

この証印が付いていないはかりを取引・証明に使用することはできません

はかり商店では「検定付きはかり」として表示しています

4)「定期検査」の時期と場所

Q:「定期検査」は、いつ、何処で受けるのでしょうか?

A:質量計については2年に1回、使用されている都道府県知事あるいは特定市市長が行う検査か、あるいは計量士による代検査を受けます

(1)検査の場所について

【公的機関からの告知の例】

はかり商店本社の所在地である愛知県名古屋市ではwebページにこのような告知がなされています

市民経済局消費流通課「計量・はかりメニュー、正しい計量の普及・啓発についてのご案内」

①持ち込み検査

各都道府県あるいは特定市から公示された日時・場所へ持ち込み検査を受けます

②出張検査

重くて持ち込めないはかりの場合や受検台数が多い場合には担当者に使用(所在)場所への出張検査を依頼することもできます。但し、別途出張費用の負担が必要となりますので、詳しくは各都道府県、特定市、あるいは指定検査機関などへ前もって問い合わせる必要があります。

③計量士による代検査

上記2つの検査の代わりに、計量に関する専門的な知識と技術を持った「計量士」が行う検査(代検査)を利用することもできます。計量士による代検査に合格した旨の証明書を添付して各検定所などに届け出を行うことによって、定期検査が免除されます

★用語解説★

特定市(計量特定市)計量法10条2項

 

地方自治体のうち、(計量法施行令第4条により)計量法に定められた計量に関する職務を都道府県に代わって行うことができる市のこと。政令指定都市、中核市、施行時特例市は自動的に計量特定市ですが、
それ以外の市町村及び特別区でも政府が特に認めた場合は指定を受けることが可能です

計量特定市で使用されている特定計量器は都道府県が行う計量検査を受験することはできません

経済産業省(特定市一覧)

(2)検査の時期について

「2年に1回」の起算日と期限(計量法19条1項3号)

起算日:「計量器に付された定期検査証印、検定証印、計量証明検査証印に表示された年月(検定等を行った年月)の翌月1日」

期限:各都道府県および特定市が行う定期検査の実施期日(公示)まで

5)「定期検査」の免除

使用中の特定計量器であっても、特定の場合は定期検査が免除されます

※計量器本体、分銅ケースなどに付されている銘板などでご確認ください

 

①「平成31年(2019年)3月以前の定期検査済証印、検定印証、基準適合証印及び計量証明検査済印」が付された計量器
・・・・「起算日」から3年を経過していないもの

②「平成31年(2019年)4月以降の定期検査済証印、検定印証、基準適合証印及び計量証明検査済印」が付された計量器
・・・・「起算日」から1年を経過していないもの

①あるいは②に該当するア~コのはかり、分銅、おもりは定期検査が免除されます

ア 懸垂式電気抵抗線式はかり
イ ひょう量3t以下の電気抵抗線式はかり
ウ ひょう量150kg以下の上記ア、イ以外の電気式はかり
エ 懸垂式ばね式指示はかり
オ ひょう量500kg以下のばね式指示はかり
カ ひょう量3t以下の台手動はかり
キ ひょう量250kg以下の棒はかり
ク ひょう量150kg以下の上記エ~キ以外の機械式はかり
ケ 10mg以上の分銅
コ おもり

※但し、計量検査の除外規定に関しては各自治体の検定所により認識の相違がある場合もありますので、
計量器をご使用の地域の検定所などへお問い合わせの上ご確認ください

都道府県検定所一覧

 

!!ご注意ください!!

計量器本体、分銅ケースなどに付されている「検定銘板」が破損・汚損して内容が読み取れなくなった場合、「検査」そのものが受検できなくなることがあります。

※協力メーカーである株式会社エー・アンド・デイ様のSJ-15KWPの検定銘板のサンプルです。

基準適合証印、型式承認番号、精度等級、ひょう量、目量、最小測定値、製造年の情報が記されています

 

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