【はかり商店】計量データの外部出力について【はかりの知識】

はかりコラム

ここではお客様からしばしばお問い合わせを頂きます「計量データの外部出力」についてまとめてみました

天びんやはかりで計量したデータをパソコンに取り込んで分析やデータベースの作成に使用したい、パソコン側から計量器のマスターデータや計量データのコントロールをしたいなど、天びん・はかりから計量データをパソコンへ送受信をする場合、どんな方法があるのか、それぞれどう違うのか、分からないことも多いと思います。

はかり商店では様々なお問い合わせにお答えしております。お気軽にお問い合わせ下さい

計量結果を外部に出力するには

現在販売されている電子はかりは、データを出力するための機能を備えているものが多くあります。

計量結果の出力方式に関して主なものをご紹介します。

①USB接続

USBケーブルを経由、またはUSBメモリを接続して計量データをパソコンへ受け渡します。

ケーブルで接続する場合には、計量器の通信仕様に応じたUSBケーブルと計量機器のメーカー様が公開しておられるUSBドライバが必要となる場合が多いです

USBメモリを接続する場合には、多くの場合、計量データをCSVなどのデータに変換して保存する場合が多いです。

RS出力(RS-232Cなど)

RS-232Cを代表とすシリアル通信による出力です。RS-232C以外にはRS-422、RS-485などがあります。シリアル通信はメーカー毎に通信手順やコネクタの形状が異なっている場合が多く、独自仕様となっていることもあります

一般的にははかり1台に対してパソコン1台の接続が可能です。通信距離は上記の接続方式に依存しますが、安定してデータを送信することが出来ます。はかりと接続したパソコンなどの機器との間で双方向通信を行える場合もあります。

一般的には最新技術ではなく「レガシー」な技術に基づきますが、それだけに対応機器が多いのも特徴的です。

出力されるデータ形式については、メーカーあるいは機器ごとに、または通信手順毎に異なるフォーマットによって提供されているのが標準的でコンピューター上でこの通信手順でデータを送受信・処理・加工を行うためには、そのためのソフトウェアが必要となる場合が一般的です。

③イーサネット

一般的に「LAN」と呼ばれている通信方式です。

はかり多数に対してパソコン多数と接続することも可能になる場合があります。その場合複数のはかりのデータを1台のパソコンで収集することができます。また、パソコンから計量器へのコントロールも可能に成る場合があります。

この通信手順を使用する場合は計量器側にLANアダプターが必要となり、「IPアドレス」を使用しネットワークを構築する必要がある場合があります。無線LANアダプタなどを使用して無線化することも可能となる場合があります

④無線ユニット

Bluetooth・赤外線通信などを使用してデータを無線で送ります。Bluetoothの場合は、はかり1台とパソコン1台のペアリングして接続します。通信距離は接続方式に依存します。この通信手順を使用する場合、データ出力形式は上記のRS方式のように特定のデータフォーマット・通信手順を必要とする場合や、パソコン上でそのまま使用可能なCSVでなどのデータで送信される場合もあります

⑤データロガー

データロガーはIR通信(赤外線通信)、シリアル通信、専用コネクタなどを使用して、はかりからデータを受け取ります。赤外線での送信になるので、はかりとデータロガーを線で繋ぐ必要がありません。防爆地域でのデータ送信に向いています。

また、データロガーは記録できるデータによってさまざまな種類があります。はかりで計量したデータを記録するためのもの、温度を記録するためのもの、温度・湿度共に記録できるものなど。環境ロガーと呼ばれるものもあり、はかりで計量を行った上で、はかり周辺の温度・湿度・気圧などを記録することができるすぐれものです。記録できる容量もデータロガーごとに違います。たくさん容量があったとしても送信するデータの容量が大きければ、データを保存できる量も減ってしまいます。

取得可能なデータの種類やデータの形式などはメーカー・機器によって異なります。

(データロガーの例)

㈱クボタ KL-DT-IS データキャリア

㈱エー・アンド・デイ AD-1688 計量データロガー

㈱エー・アンド・デイ AD-1687 環境ロガー

 


どうせならたくさんのはかりやパソコンに接続出来たほうがいいのでは?と、思いますよね。たくさん接続しているということは、例えば1台のパソコンがウイルスに感染、接続している他のパソコンからも大事なデータが外部へ漏洩してしまう可能性があるということです。何でもかんでも接続してしまうのは、そういったリスクもありますので注意が必要です。

計量結果を出力したいと思っていても、はかりの使用環境やはかりによって使用できる通信方法はさまざま。はかりとパソコンを接続するケーブルやインターフェースはオプションとなっており、別途購入する必要があります。

計量結果を出力するためには、パソコン側で取り込み用のソフト、アプリケーションが必要です。メーカーが無料で提供しているものもありますが、必要としているデータを全て出力できるとは限りません。

ケーブルがいっぱいあって、このはかりに対応しているものはどれだろう…どれを選べばいいか分からない…このはかりで出力できる内容がわからないなど…そんなお悩みに!

はかり商店では、お電話でもメールでもご相談を受け付けております。無料のアプリケーションでは必要なデータが出力出来ない場合にも、弊社グループ会社でシステムを作成することもできます。

まずは現状の使用環境やどういったデータが必要になるかをお伝え下さい。専任の担当者がお客様に合うはかりをご案内させていただきます。

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はかりの豆知識 ~データ処理方法~

データを処理する際にはバッチ処理とリアルタイム処理の2種類の方法があります。

①バッチ処理

バッチ処理のバッチ(batch)は群れ、束という意味があり、データをまとめて一括して処理をし、ためておいたデータをまとめてデータ送信します。夜間や早朝など空いた時間、コンピューターの負荷の少ない時間を活用して行うことが出来、送信したい時間や回数も設定することができるものもあります。上述の「データロガー」による処理はコンピューターに対しては多くの場合バッチ処理となります

②リアルタイム処理

発生したデータを、1件1件即時にコンピューターに送信する処理をリアルタイム処理といいます。基本的にオンラインで行われるので オンラインリアルタイム処理、オンライントランザクション処理といいます。上述のRS出力(シリアル通信)、イーサネットなどは多くの場合リアル処理となります

使用場所別!計量データを送信する方法

①防爆地域で使用するはかりから計量データをとりたい

ガソリンなどの揮発性高い製品等を扱う場所(防爆地域)で、はかりを使用する際、防爆仕様のはかりを使用しなければなりません。→防爆はかりについて

そんな防爆地域で使用するはかりからデータを送信したい場合、はかりに取り付けるデータ送信に必要な機器も防爆仕様であることが望ましいです。そのひとつが計量データロガーです。計量データロガーは、多くの場合、データをはかりから取得するため、ケーブルを必要としません。では、ケーブルを使用することがいけないのか、というとそうではありません。ケーブルで接続する場合、抜き差しした際に、火花が散り、火災を発生させてしまう可能性があります。ケーブルを使用してデータを送信する場合は、ケーブルを抜き差しする際に、はかり自体を非防爆地域に持ち出して作業することになります。はかり自体に重量があるものをお使いの場合には、計量データロガーなどの持ち運びできるものがおすすめです。

(株)新光電子 DLZ-200 本質安全防爆構造データロガー

②水で濡れる現場での計量データをとりたい

水産物の計量など水がはかりにかかってしまう環境では、はかりは防水タイプのものを選択します。データを送信するために接続する機器も防水仕様になっているものを選びましょう。

③はかりとプリンタと接続して使用したい

計量データをプリンタから出力したい場合も多くあります。プリンタは内蔵型・一体型・別置き型と3パターンがあります。プリンタ用紙は普通紙・感熱紙があり、プリンタによってどちらを使用するか決まっています。多くの場合、はかりのメーカー・機種について専用機となります

①内蔵型

内蔵型は計量結果を表示する表示部に内蔵されています。プリンタ機能が内蔵されているため、その分表示部のサイズが大きくなってしまいます。印字される用紙も表示部内にセットするため、印刷幅が狭く印字できる内容も少ないです。ロール紙も外形が小さいものを使用することが多いです。

②一体型

一体型はオプションとして、表示器の上部などに取り付けるものになります。サイズもコンパクトで場所も取りません。内蔵型と同じく、印字できる内容も少なく、使用する用紙は、幅が狭くロール紙も小さいものが多いです。はかりを購入後、プリンタを別で購入して、使用者での取り付けも可能です。しかし、取引証明に使用できる検定付きはかり(特定計量器)に取り付ける際には、計量結果に誤差がでてしまうこともありますので、メーカーで取り付けをしてもらうことをおすすめします。

③別置き型

(株)エーアンドディー 天びん・はかり用マルチプリンタ AD-8127

ケーブルではかりとプリンタを接続、または無線で接続して使用する、独立タイプのものです。印字桁数は内蔵型、一体型より多く、プリンタ用紙も大きいものを使用できるケースが多いです。また、外形寸法が幅10cm~20cm、奥行10cm~20cmまでと、はかりとは別にプリンタを置くスペースが必要となります。はかりとプリンタの接続に際して、ケーブル等必要になってくる場合があります。購入をご検討の場合には、接続方法も確認しておくと良いです。

どのパターンのものがはかりの使用環境に合っているかで選びましょう。

 

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